Treatment

エキシマライト(光線療法) 白斑の紫外線治療について

白斑の紫外線治療について

308ナノメートルの紫外線を照射する光線療法は白斑や円形脱毛症、アトピー性皮膚炎の痒みなどに効果があり、保険診療も認められています。

左は脱毛症への照射前で週2回ほど照射して、右は5回照射後です。3週間で相当伸びてきています。
円形脱毛症やアトピーの場合はターゲットの周辺の正常皮膚に紫外線が当たっても問題になることはありません。
しかし、白斑症の場合は注意が必要です。

白斑症の原因は様々ですが、メラニン細胞が弱ったり数が減ったりしてメラニン色素の合成能力が減弱して周辺の正常皮膚よりも白くなっているのです。
その弱ったメラニン細胞に紫外線を照射してメラニン色素の合成を促す治療です。

簡単に言えば紫外線を照射して白斑の皮膚を日焼けさせようという作戦です。

機械のハンドピースですが、照射口は大きな四角形です。このまま照射すれば正常皮膚にも当たってしまいます。

しかし、周辺の正常な皮膚を日焼けさせてはいけませんから当てたくない皮膚をカバーしなくてはなりません。
白斑の形にくり抜いた紙やテープで覆ったりするのが一般的ですが、照射のたびごとに白斑の形に合わせるのは難しいし、
①のように完全に密閉できずに隙間から紫外線が入り込んだりして紫外線をうまく避けることができません。
そこで②のように日焼け止めのUVクリームで覆えばよいと考えました。

しかし、通常の製品では強力な紫外線を完全に遮断することは難しいとわかりました。
UVクリームの有効成分は紫外線吸収剤または散乱剤なので、二つを極限まで練り込んだ究極の紫外線遮断クリームを作って白斑周辺の正常皮膚を覆うことにしました。
白斑周囲に塗るだけなので紙に穴をあけるよりも簡単で確実です。

10数年前からある背中の白斑です。(照射前)

こちらが照射の様子で、遮断クリームの周辺をアルミフォイルで覆って行いました。

翌日ですが、照射した白斑部分だけがほんのりと赤くなっています。

左は照射前、右は1週間ごとに4回照射後10目です。
白斑は消えて周辺皮膚との色調になじんでいます。
最近はレーザー脱毛やフォトフェイシャルなどの美容治療でのヤケドも増えていますので、
便利なこの紫外線遮断クリームを積極的に使おうと考えています。